1733(享保18)年のこの日、両国川開きで初めて花火が打ち上げられました。
この川開きは徳川八代将軍吉宗が行ったのが最初で、前年の大飢饉とコロリ病(コレラ)による死者の霊を慰め、悪霊を退散を祈願する水神祭として年中行事になりました。 花火に関する昔話 むかしむかし、ある森のなかに仙女(せんにょ)がすんでいました。 この仙女は、からだの半分が人間で、あとの半分がクジャクのすがたをしている魔法使いです。 森のなかまたちは、この仙女のことを「クジャク仙女」とよんでいました。 クジャク仙女は、暑い夏の日には大きな羽をマントのようにひろげて、太陽の強い光をさえぎり、寒い冬の日には、そのみごとな羽で、すっぽりと森をつつみます。 そのおかげで、森はいつも春のようです。 おまけに、クジャク仙女のからだから虹(にじ)の噴水(ふんすい)のようにふきでるふしぎな光あびて、森はいつもキラキラとかがやいていました。 どんなにおそろしいトラやライオンも、仙女がひと声さけぶと、コソコソとにげていきます。 なんともすばらしい仙女です。 小鳥も、チョウも、けものたちも、みんな仙女が大すきでしたが、とりわけ森にすむクジャクたちは、 「あの仙女さまのように美しく、りっぱになりたいものだね」 と、話しあっていました。 「でもどうすれば、クジャク仙女のような、ふしぎな力をもつことができるのだろう?」 すると、一羽のクジャクがいいました。 「そんなことかんたんさ。仙女さまから、魔法を教えてもらえばいいじゃないか」 「そうだ。そうだ。さっそく教えてもらおう」 クジャクたちはさきをあらそって、仙女のところへとんでいきました。 そして口々に、 「おねがいです。どうか、魔法を教えてください」 と、さわぎたてました。 クジャク仙女は、高い岩の上からクジャクたちを見おろしていましたが、やがて美しい声でいいました。 「今夜の三時に、ここへあつまりなさい。おまえたちのなかから、一番すぐれたものを弟子にしましょう」 クジャクたちは、ワイワイさわぎながら帰っていきました。 そして、からだや頭に花かざりをつけたり、水浴びをして、からだをきれいにしたりするのでした。 どのクジャクも、 「自分がいちばんりっぱなクジャクだ!」 と、思っているようです。 けれども一羽、自分のすがたを川の水にうつしては、ためいきをついているクジャクがいました。 「ああ、ぼくなんて、とても仙女さまのお弟子さんになれっこないや」 そのクジャクは生まれつき、からだが小さくて、羽も黒くよごれていました。 どんなにあらっても、きれいになりません。 「クジャクのくせに、きたないやつ。やーい、チビクロ!」 と、みんなからバカにされて、ろくに遊んでもらえません。 「つまらないや」 チビクロはためいきをついて、フラフラと森の外へとんでいきました。 「わあっ!」 森の外へ出たとたん、チビクロはクラクラと目がまわり、ストンと地面に落ちてしまいました。 太陽がギラギラとかがやき、燃えるようなあつさです。 そのとき、 「たすけてくれ!」 と、いう声がしました。 見ると、人間のおじいさんが、グッタリとたおれています。 あまりのあつさに、病気になってしまったのでしょう。 チビクロは、いそいでしっぽの羽をぬいて、それでせんすをつくってあげました。 チビクロがせんすであおぐと、ふしぎなことに、さあっとすずしい風がふいてきて、おじいさんはたちまち元気になりました。 「しんせつなクジャクさん。どうもありがとう」 チビクロはうれしくなって、またドンドンとんでいきました。 しばらくいくと、おばあさんがオイオイと泣いています。 「どうしたの?」 チビクロがたずねると、おばあさんはいいました。 「いま、きゅうに風がふいてきて、目に砂ぼこりがはいって、なにも見えなくなってしまったんだよ」 「それはたいへん!」 チビクロはやわらかい羽をぬいて、おばあさんの目を、そっとなでてあげました。 すると、どうでしょう。 おばあさんの目が、パッチリとひらいたではありませんか。 「あれえ!」 ビックリしたのは、チビクロのほうでした。 こんなにかんたんに、おばあさんの目がなおるとは思わなかったからです。 チビクロはうれしくて、またドンドンとんでいきました。 そのままドンドンとんでいくと、一軒の小屋がありました。 その小屋のなかから、おじいさんと男の子が出てきていいました。 「クジャクさん。はやくにげなさい! こんなところにいると、王さまの兵隊がつかまえにくるよ」 「え? 兵隊がぼくをつかまえるって? どうしてさ」 「王さまがわしに、クジャクの羽で馬車のほろをつくるように、ご命令なさったのだ」 「クジャクの羽で、ほろだって?」 「そうだ。わしは馬車づくりの職人だ。しかしクジャクから羽をむしりとってほろをつくるなんて、そんなむごいことはわしにはできん」 「それで、どうしたの?」 「それでわしは王さまに、馬車のほろをこしらえることをことわった。すると王さまはカンカンにおこって、わしをろうやに入れるというのだ」 「それじゃ、早くにげたらいいのに」 「だめだ。いまに兵隊がやってくる。わしはつかまえられてもいいが、おまえさんは森へ帰ったほうがいい。森のクジャクたちにも、兵隊がクジャクがりにくることをつたえるがいい。さあ、いそいで!」 おじいさんの話をきいたチビクロは、からだの羽をぜんぶぬいて、おじいさんにわたしました。 「こんなによごれている羽ですが、どうぞ使ってください。ぼくの羽で、馬車のほろをこしらえてください。それで、おじいさんが助かるのなら、そして、ほかのクジャクたちが助かるのなら。ではさようなら。おじいさん」 羽のなくなったチビクロは、ピョンピョンとかけだしました。 まるはだかになったけれども、チビクロはすこしもさむくありません。 チビクロのおかげで、あのおじいさんたちは、しあわせにくらすことができるでしょう。 そう思うと、心もからだもポカポカと、あたたかくなってくるのでした。 そのうちに日がくれて、夜になりました。 くらい道のむこうに、ポツンとあかりが見えます。 近づいてみると家が立っていて、中から女の子とお母さんの話し声がします。 チビクロは、そっと窓をのぞいてみました。 ランプの光の下にベットがあって、そこに病気の女の子がねています。 「おかあさま。おまつりには花火があがるでしょう。わたし、花火を見たいの。はやく、おまつりがこないかしら」 「もうすぐよ。元気になって、いっしょに花火を見に行きましょうね」 お母さんは、そっとなみだをふきました。 チビクロは、病気の女の子をなぐさめてあげたいと思いました。 けれども、チビクロにはどうすることもできません。 ションボリ森へ帰ると、ほかのクジャクたちがチビクロを見つけて、コソコソ悪口をいいました。 「あいつを見ろよ。羽が無くてまるはだかじゃないか」 「ほんと、みっともない」 「そうだ、クジャクのくせにみっともないすがたをするな! あっちに行け!」 「おまえなんか、死んでしまえ!」 チビクロははずかしくて、顔をまっ赤にして岩のかげにかくれました。 やがて、夜中の三時になりました。 さっと、ひとすじの光がさしてきて、それがあっというまに七色の光になり、くらい空にかがやきわたりました。 「あっ、仙女さまだ!」 クジャク仙女が、山の上に立っていました。 クジャクたちは、仙女の前にかけよりました。 さあ、だれが仙女の弟子にえらばれるのか、みんなはドキドキして、クジャク仙女を見あげました。 すると仙女は、岩のかげに小さくなってふるえている、はだかのクジャクをやさしくだきあげたのです。 「おまえは、人のために自分をぎせいにしました。おまえは、とてもすばらしい心を持っています。おまえこそ、わたしの弟子です」 仙女は、ニッコリ笑っていいました。 「さあ、わたしの弟子よ。病気の女の子のところへ行って、あの子をなぐさめておやりなさい」 すると、はだかのチビクロに七色のきれいな羽がはえてました。 そしてチビクロは、まっすぐ空にまいあがると病気の女の子の家にいき、美しい花火のように光かがやいたのです。 ゴルフ記念日 1961(昭和36)年、政治的権力による人権侵害を守るための国際民間機関アムネスティ・インターナショナルが発足しました。 京都 賃貸よりオススメでした。 「5月28日 花火の日(京都でのお部屋探しは京都 賃貸.com)」へのトラックバックURL(0) http://www.kyoto-chintai.com/mt/tb-mt.cgi/1570 |
|