戊辰戦争で会津藩の白虎隊20人の隊員が、城下の飯盛山で自刃(じじん)したのが1868(慶応4)年のこの日です。
白虎隊は16歳から17歳までの少年で編成されていました。 町に火の手が上がったのを落城と思い自刃しましたが、鶴ヶ城が降伏により開城したのは1ヶ月後のことでした。 トラと坊さんとやまイヌ むかしむかし、一ぴきのあばれもののトラが、ワナにかかりました。 「たすけてくれー! 外に出してくれー!」 そこへ、一人の坊さんが通りかかりました。 「お坊さま。どうかわたしを、ここから出してください」 トラは、きゅうにやさしい声でいいました。 「だめだよ。おまえは外に出たら、きっとわるいことをするだろう」 「とんでもない。ご恩は一生わすれません。わたしはあなたの召使いになって、おつかえしますよ」 トラがないてたのむので、坊さんはかわいそうになりました。 「おまえは、それほどわるいやつじゃなさそうだな。よし、出してやろう。そのかわり、二度とわるいことをするんじゃないよ」 オリから出してもらったトラは、おなかをかかえてわらいました。 「ワハハハハハ。バカな坊さんだ。わたしはおなかがペコペコなんだよ。どれ、あなたをごちそうになろうかな」 坊さんは、ビックリしていいました。 「ま、まってくれ。わたしをこんなめにあわせることが、いいことかわるいことかみんなにきいてみる。そのあいだだけ、わたしをたべないでいておくれ」 坊さんはそういうと、すぐそばにあった大きなぼだいじゅの木にたずねました。 ところが、ぼだいじゅの木は、 「わたしなんか、いつもそんなめにあっていますよ。旅人に木かげをかしてあげているのに、枝や葉をちぎられてしまうのですから」 と、いって、ちっともトラの味方をしました。 ガッカリした坊さんは、こんどは水牛をつかまえて、ずるいトラのしうちを話しました。 「それはおきのどくさま。でも、わたしをごらんなさい。みんなはわたしがミルクを出すうちは、よろこんで油かすやワタの実のエサをくれます。ところがミルクが出なくなったとたんに、ろくにエサもくれないんですよ」 水牛も、トラの味方です。 ガッカリした坊さんは、トボトボと道をあるきながら、こんどは道に、トラの話をしてみました。 すると、道は、ニガニガしくいいました。 「人に、いいおかえしをのぞむのはむりですよ。まずしい人もお金持ちも、いろんな人がわたしをふみつけて通るのに、このわたしにくれるものといったら、ゴミとか、つばとか、タバコの灰ぐらいのものですよ。ま、あきらめるんですね」 「ああ、もうだめだ。だれも味方してくれない」 坊さんは、かなしくなりました。 「どうしたんですか? お坊さん」 ちょうど通りかかった山イヌが、ふしぎそうにたずねました。 「わたしはもうすぐ、トラにたべられてしまうんだよ」 「へえ。どうして?」 坊さんは、山イヌにわけを話してきかせました。 「それはふしぎな話だなあ。なんだか、さっぱりわからないや」 山イヌは、あたまをかしげるばかりです。 そこで坊さんは、もう一度、話をきかせてやりました。 「ああ、ますますわからないや。右の耳から話がはいると、左の耳からぬけていってしまう」 山イヌは、頭をたたきました。 「そのトラのところに行ってみましょうよ。そうしたら、わけがわかるかもしれない」 トラは、ツメとキバをとぎながら、坊さんを待っていました。 「ずいぶんおそいじゃないか。もう、がまんできないぞ」 坊さんは、ガタガタふるえながらたのみました。 「もうちょっとだけ待ってくれ。この山イヌが、どうしても話がわからないっていうんだよ」 「うるさい山イヌめ。まあいいや。ごちそうは目の前にあるんだし」 坊さんは、なるべく長生きしたいので、こまかいところまで残らず山イヌに話してやりました。 すると山イヌは、おおげさにさけびました。 「ああ、そうか。わかったぞ。なんだ、こんなかんたんなことだったのか。つまりえーと、お坊さんがオリの中にいた。そこにトラが通りかかったんですね」 「バカもの! このわたしがオリの中にいたんだよ」 トラは、あきれていいました。 「そうでした。このわたしがオリにいた。いやちがう。このわたしっていうのは坊さんのことですね。お坊さんがオリにいて、トラが外を通りかかったと」 「ちがう! わたしっていうのは、このわたしのことだ。わからずやめ、こうなったら、わかるまで話してやるぞ」 「はい、おねがいします」 「よく聞けよ。いいか、ここにいるわたしはトラさまだ」 「はい、トラさま」 「これが、坊さんだ」 「はい、坊さん」 「これがオリ。このオリの中にいたのは、このトラさまだ」 「なるほど、トラさまの中にいたのは、このオリですね」 「な、なんだって! このマヌケ!」 「そ、そんなにおこらないでくださいよ。だいたい、最初の最初がどうなっていたかわからないからいけないんだ。えーと、トラさまは、どうやってこのオリにはいったんですか?」 「どうやってだって? そうだなあ。なにげなくはいったと思うよ」 「なにげなくとは、どういうことですか?」 するとトラは、もうがまんできなくなって、オリの中へとびこんで見せました。 「大バカものめ。なにげなくとは、こういうことだ」 「なるほど。それで、このようにカギがしまっていたのですね」 山イヌはそういうと、オリの戸のカギをしめてしまいました。 「そうだ。そのようにオリがしまって、出られなく・・・。あっ、しまった! このとぼけた山イヌめ!」 こうしてトラは、おとぼけのうまい山イヌにとじこめられ、もう二度と外には出られませんでした。 京都 賃貸よりオススメでした。
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