魚のふぐの本場、下関では河豚(ふぐ)を「ふく」と発音し、「福」と同じ発音であることから縁起の良い魚とされています。 「ふ(2)く(9)の語呂合わせから、下関ふく連盟が1980(昭和55)年に制定しました。 ふく豊漁および航海安全の祈願などが恵比寿神社でおこなわれます。
フグに関する昔話ふぐ(→詳細)には毒(どく)があるため、むかしは、ふぐを食べて死んだ者が、おおぜいおりました。 そのくせ、ふぐの味は、格別(かくべつ→とくべつ)です。 何とかしてたベてみたいと、いろいろ苦心(くしん→苦労すること)をしたものでございます。 ある日、若い江戸っ子連中が、両国橋(りょうごくばし)の近くの家に集まって、ワイワイやっておりました。 そこヘ、ひとりの男がやってきて、「いよう。みんなそろって、なにをさわいでいるんだい」「やあ、源兄(げんにい)か。実は、ふぐをもらったんだが。どうもきみが悪くて食えねえ。だれかが、先に食ってみせろというんだが、だれも食い手がねえんだ」「おお、そんなことなら、橋の上のこじき(→詳細)に、食わせてみたらどうだ」「なーるほど。そいつは、うまい考えだ」と、いうわけで、さっそく、大なベにいっぱい、ふぐ汁をこしらえました。「源兄。いってくれるか」「よし、きた。そのどんぶりばちに、入れてくれ」 源さん、ふぐ汁をもって、橋の上にやってきました。 ねていたこじきをゆすぶりおこして、「ふぐ汁のできたてをもってきたが、食わねえか。どうだ」「おありがとうございます」「食うか」「へえ。おありがとうございます」 源さん、こじきの出したおわんの中ヘ、ふぐ汁を入れてやると、ニヤニヤしながら、帰ってきました。 しばらくたちました。 もう、そろそろ、よかろうと、見にいきますと、こじきは、元気でピンピンしております。「これなら、だいじょうぶ。さあ、ふぐをたべよう」 一同は安心して、ふぐ汁大会をはじめました。 いや、にぎやかなこと、にぎやかなこと。 なにしろ、若い連中(れんちゅう)のこと。 よってたかって、大なベいっぱいのふぐ汁を、きれいに、たいらげてしまいました。「ああ、うまかった」「どうだい。腹がふくれたから、表を少し歩こうじゃないか」「いいねえ、いこうか」と、みんなは、橋のほうヘやってきました。 こじきのそばまでくると、わざと大声で、「さっきのふぐは、うまかったなあ」「おお。ふぐは、やっぱり、かくベつの味だ」 などと、きこえよがしに、話しあいました。 こじきは、若いしゅうの中に源さんのすがたを見つけると、顔をあげてたずねました。「だんながた、もう、ふぐ汁を、おあがりになりましたんで?」「おお、食ったとも、食ったとも」「お味は?」「いやはや、もう、とほうもなく、うまかったわ」「おからだのぐあいは?」「このとおり、ピンピンしておる」 それをきくと、こじき、「それならば、わたしも、安心して、いただかしていただきます」京都 賃貸よりオススメでした。
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