1874(明治7)年のこの日、「双生児、三つ子出産の場合は、前産を兄姉と定む」という太政官布告が出されました。 それまでは、先に生まれた子が弟妹とされていました。 双子には一卵性と二卵性がありますが、一卵性の方がよく似ています。
双子に関する昔話むかし、11人の王子と、ひとりのお姫さまを残して、やさしいおきさきが亡くなりました。 王さまはすぐ、新しいおきさきを迎えましたが、そのおきさきは、いじわるなおそろしい魔女だったのです。 魔女は一年の約束で、じゃまなお姫さまを遠いいなかへ預けてしまうと、ある晩、のろいをかけて王子たちを白鳥に変え、お城の窓から追い出してしまいました。 一年たってお城へ帰ってきたお姫さまは、にいさんたちがいないので、回りの人に聞いてみましたが、だれも教えてくれません。 お姫さまは、にいさんたちの銀のくつを持って、にいさんたちをさがしに、広い世界へ出ていきました。 お姫さまは、何日も何日もあるいて、森の中で糸をつむいでいるおばあさんに会いました。「11人の若者が、ここを通りませんでしたか?」と、聞くと、おばあさんはいいました。「いいや。・・・でも、11羽の白鳥なら、そこの川をくだっていったがね」「にいさんたちかもしれないわ!」 お姫さまは川へ出て、川下へ歩いていきました。 すると、そまつな小屋があり、中をのぞいてみると、ベッドが11台、木ぐつが11足、ならんでいました。 お姫さまは、持ってきたにいさんたちの銀のくつをそこに置いて、小屋のかげにかくれていました。 タ方になって、11羽の白烏が帰ってきました。 白鳥は小屋へはいると、つぎつぎに王子になって、「あっ! ぼくたちのくつがある! 妹がたずねてきたんだ」と、大騒ぎで、あたりをさがし回りました。 そして、お姫さまを見つけると、泣きながらみんなで抱きあいました。 でも、夜が明けると、王子たちはまた、白鳥になって飛んでいかねばなりません。「どうしたら、魔法がとけるの?」 すると、にいさんの1人がいいました。「ふしぎな夢を見たよ。おまえがいらくさ(→イラクサ科の多年草で、トゲがたくさんあります)をつみ、足でふんで糸を取り、布におりあげて11枚のシャツをぬうんだ。そのとき、魔法がとけるんだが、でも、そのあいだは、ひとことも口をきいてはいけないんだよ」「かわったわ。きっと、おにいさんたちの魔法をとくわ」 それからお姫さまは、まいにち、まいにち、野へ出て、いらくさをつみました。 いらくさのトゲで白い指から血が流れ、足は傷ついてヒリヒリと痛みましたが、言われたとおり、泣き声も立てませんでした。 ある日、若い王さまが、その傷だらけのお姫さまを見て、自分のうまに乗せてお城へ連れていきました。「どうか、わたしのきさきになってください」 王さまは、お姫さまとりっぱな結婚式をあげました。 ところが戦争が起こって、王さまは戦場へ出かけてしまい、その留守に、お姫さまは双子の王子をうみました。 さあ、このことを知った悪者の魔女のおきさきは、はるばるやってきて、お城の家来をつかまえると、「いいかい、双子の王子を連れ出して、殺してしまえ」と、いいつけました。 そして、からになったゆりかごに、子いぬを2匹入れておき、「おきさきが、いぬの子をうんだ!」と、国じゅうにいいふらしました。 悲しみをこらえて、お姫さまは、にいさんたちを助けるために、せっせといらくさの糸で布をおりました。 やがて戦争が終わって、王さまがお城へ帰ってきました。 王さまは、ゆりかごにいる子いぬを見ると、「口もきかず、みょうだと思っていたが、これでわかった。おまえは、魔女であろう!」と、お姫さまに死刑をいい渡しました。(わたしは魔女ではありません。この11枚目のシャツにそでをつけてしまえば、お話しできるのです) お姫さまは心の中で叫びながら、ろうやの中でも、せっせとシャツを作り続けました。 そうして、いよいよ、処刑場へ連れて行かれる事になりましたが、お姫さまは、連れていかれる馬車の上でも、シャツを作り続けました。 馬車が処刑場へさしかかったとき、とつぜん、空からバタバタと羽音がして、11羽の白鳥が追いついてきました。 お姫さまは、かかえていたシャツを白鳥に投げかけました。 すると、白烏はみるみるうちに、11人の王子になったのです。「王さま、今こそ、全てをお話しいたします! わたしのおにいさんに魔法をかけたのも、わたしたちの赤ちゃんをいぬと取り替えたのも、魔女のしわざです!」 お姫さまは、今までのことを残らず王さまにお話ししました。 そしてそこへ、「ご安心ください。王子さまはご無事です」と、いって、家来が双子の王子を連れてきました。 すっかり準備のできた処刑場で、死刑にされたのは、あの、悪者の魔女でした。
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