日本さくらの会が1992(平成4)年に制定しました。 さくらと「3(さ)×9(く)=27」の語呂合わせです。 日本の歴史や文化、風土と深く関わってきた桜を通して、日本の自然や文化について関心を深めてもらうことを目的にしています。 日本さくらの会は学校への作植樹などを行っています。
花に関する昔話
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。 二人は子どもがいなかったので、シロというイヌをとてもかわいがっていました。 ある日、シロが畑でほえました。「ここほれワンワン、ここほれワンワン」「おや? ここをほれと言っているのか。よしよし、ほってやろう」 おじいさんがほってみると、「ややっ、これはすごい!」 なんと、地面の中から大判小判がザクザクと出てきました。 この話を聞いた、となりの欲ばりじいさんが、「わしも、大判小判を手に入れる。おめえのシロを、わしにかしてくれや」 欲ばりじいさんは、シロを無理矢理畑に連れて行きました。 そして、いやがるシロがキャンキャン鳴いたところをほってみると、くさいゴミがたくさん出てきました。「この役立たずのイヌめ!」 怒ったよくばりじいさんは、なんと、シロを殴り殺してしまいました。 シロを殺されたおじいさんとおばあさんは、なくなく、シロを畑にうめてやると、棒(ぼう)を立てておはかを作りました。 次の日、おじいさんとおばあさんがシロのおはか参りに畑へ行ってみると、シロのおはかの棒が、ひと晩のうちに大木になっていました。 おじいさんとおばあさんは、その木で臼(うす)を作って、おもちをつきました。 すると、もちの中から宝物がたくさん出てきました。 それを聞いた欲ばりじいさんは、臼を無理矢理(むりやり)かりると、自分の家でもちをついてみました。 しかし、出てくるのは石ころばかりで、宝物は出てきません。「いまいましい臼め!」 怒った欲ばりじいさんは、臼をオノでたたきわると、焼いて灰にしてしまいました。 おじいさんはせめて灰だけでもと、臼を焼いた灰をザルに入れて持ち帰ろうとしました。 その時、灰が風に飛ばされて、枯れ木にかかりました。 するとどうでしょう。 灰のかかった枯れ木に、まんかいの花が咲(さ)きました。 おじいさんはうれしくなって。「枯れ木に花を咲かせましょう。パアーッ」と、いいながら、次々に灰をまいて、枯れ木に美しい花を咲かせました。 ちょうどそこを、お城のお殿さまが通りかかりました。「ほう、これはみごとじゃ」 お殿様はたいそう喜んで、おじいさんにたくさんのごほうびをあげました。 それを見ていた欲ばりじいさんが、「おい、その灰は、わしが焼いて作ったものだ、わしによこせ!」 無理矢理(むりやり)に灰を取り上げると、お殿さまに言いました。「殿さま、この灰はわしの物です。わしが枯れ木に花を咲かせますから、わしにもほうびを下さい。バァーッ!」 欲ばりじいさんは、殿さまの前でたくさん花を咲かせようと、灰をいっせいにまきました。 すると、灰がお殿さまの目に入って、欲ばりじいさんはお殿さまの家来にさんざん殴られました。
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