1946(昭和21)年、高級たばこ「ピース」が発売されたのがこの日です。 発売当初、他のたばこは4円、ピースは10本入り7円でパッケージは鳩のデザインでした。 日曜・祝日のみひとり1箱に限って販売されていましたが、東京・有楽町の売店では、1000箱が1時間で売り切れたといいます。
たばこに関する昔話
むかしむかし、アメリカのインディアンにタバコがすきで歌の上手な、クロスカップという男がいました。 ある日クロスカップは、用があって海をわたることになりました。 でもクロスカップは、あまり泳ぎが上手ではありません。 そこで、♪ほうい ほうい。♪海をわたりたいが わたしはあまり泳げない♪お礼はするから だれかわたしをのせてくれ♪ほうい ほうい 海岸に立って歌うと、クジラがやってきました。「海のむこうまで、のせていってくれないか?」「おやすいご用だ」 クロスカップをのせたクジラは、ぜんそく力でおよぎ出しました。「しっかりと、つかまっていてくださいよ」「だいじょうぶ。おまえの背中はひろいから」 クロスカップはクジラの背中の上で、きざみタバコをパイプにつめると、プカリ、プカリと、ふかしました。 やがてむこうに、めざす島が見えはじめた時、きゅうにクジラのスピードがおちました。「おや? どうしたんだい?」「このまますすめば、おなかが海のそこにつかえてしまいます」 心配そうに、クジラがいいました。「なあに、だいじょうぶさ」 クロスカップがわらっていうので、クジラはまたすすみました。 でも、やっと島についた時、クジラはやっぱり、あさせにのりあげてしまいました。「ほら、あなたのせいですよ。もう、海にもどれなくなってしまった。どうしよう・・・」 クジラは、シクシクとなき出してしまいました。「心配するな、わたしが海にかえしてやるから」と、いうと、クロスカップは背中からすベりおりて、クジラの頭をかかえると、すごい力で、「えい、えいっ!」と、おしたのです。 すると、「ズズッ、ズズズーッ」 クジラはすべり出して、海にプッカリとうかびました。「さて、のせてくれたお礼に何をあげよう?」 クロスカップが聞くと、クジラはちょっと考えていいました。「あなたの持っている、パイプとタバコをください」「よかろう」 クジラはパイプをくわえて、よろこんで帰っていきました。 みなさんは、クジラがしおをふくと思っているでしょう。 でも本当は、クロスカップにもらったパイプをふかしているのですよ。
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