1890(明治23)年この日、エミール・ベーリングと北里柴三郎が、血清療法開発につながる破傷風免疫体を発見したことから、記念日とされています。 血清療法とは、抗体のある血清を患者に注射し、体内に入った毒素を中和して無力化する治療法です。
病気に関する昔話
むかしむかし、あるところに、たのきゅうという旅の役者がいました。 おかあさんが病気だという手紙がきたので、大急ぎでもどってきました。 ところが、ある山のふもとまでくると、日が暮れてしまいました。 でも、たのきゅうは親孝行者だったので、早くおかあさんに会いたいと、そのまま山を登りかけました。 すると、茶店のおばあさんがたのきゅうに、いいました。「およしなさい。この山には、大きなヘビがいるから、夜はあぶないよ」 でも、たのきゅうは、病気のおかあさんが心配なので、山へ登っていきました。 そして、峠でひと休みしていると、しらがのおじいさんが出てきていいました。「おまえさんは、だれだ?」「わしは、たのきゅうというもんじゃ」と、たのきゅうは、答えました。 だけど、おじいさんは「たのきゅう」を「たぬき」と、聞きまちがえました。「たぬきか。たぬきなら、化けるのがうまいだろ。さあ、化けてみろ。わしは大ヘビだ。わしも化けているんだ」 大ヘビと聞いて、たのきゅうはビックリ。「さあ、はやく化けてみろ。それとも、化けるのがへたなのか?」 ブルブルとふるえていた、たのきゅうですが、大ヘビにへたと言われて、役者だましいに火がつきました。「まっていろ、いま、人間の女に化けてやる」 たのきゅうは、にもつの中から取り出した女のかつらと着物を着て、おどって見せました。「ほほう、思ったよりじょうずじゃ」と、おじいさんは、感心しました。 そして、「ときに、おまえのきらいな物は、なんじゃ?」と、聞きました。「わしのきらいなのは、お金だ。あんたのきらいな物は、なんだね?」 たのきゅうも、たずねました。「わしのきらいな物は、たばこのヤニと、かきのシブだ。これをからだにつけられたら、しびれてしまう。おまえは、たぬきだからたすけてやるが、このことはけっして、人間にいってはならんぞ。じゃ、今夜はこれで別れよう」 そういったかと思うと、おじいさんの姿は、見えなくなってしまいました。 たのきゅうは、ホッとして山をおりました。 ふもとに着くと、ちょうど夜が明けました。 たのきゅうは、村の人たちに、タベ、大ヘビから聞いた話をしました。「と、いうわけだから、たばこのヤニと、かきのシブを集めて、大ヘビのほら穴に投げ込むといい。そうすれば、大ヘビを退治できて、安心して暮らせるというもんじゃ」 それを聞いて、村の人たちは大喜びです。 たばこのヤニと、かきのシブを、できるだけたくさん集めて、大ヘビのほら穴に投げこみました。「うひゃーあ、こりゃあ、たまらねえ!」 大ヘビは死にものぐるいで、となりの山に逃げ出して、なんとか命だけは助かりました。「こりゃあ、きっと、あのたぬきのやつが、わしのきらいな物を人間どもにしゃベったにちがいない。おのれ、たぬきめ! どうするか覚えてろ!」 大ヘビは、かんかんになっておこりました。 そして、たのきゅうが、いちばんきらいな物は、お金だということを思い出しました。 そこで、大ヘビは、できるだけたくさんのお金を集めて、たのきゅうの家をさがして歩きました。 そして、やっと、たのきゅうの家をさがしあてましたが、戸がピッタリしまっていて、中にはいれません。「さて、どうやってはいろうか? ・・・うん?」 そのとき、大ヘビは、屋根にあるけむり出し口を見つけました。「それえっ、たぬきめ、思い知れっ!」 大ヘビは、けむり出し口からお金を投げこんでいきました。 おかげで、たのきゅうは、大金持ちになり、おかあさんの病気もなおって、しあわせに暮らしましたとさ。
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