2009年12月 3日(木) 08時47分53秒 |
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「よーく見てください。1(ワン)2(ツー)3(スリー)、はい消えました!」
という奇術の定番のかけ声から、日本奇術協会が1990(平成2)年に12月3日を記念日としました。
「ワン・ツー・スリー」という機関誌も発行しています。
奇術・魔法に関する昔話
むかしむかし、あるところに、ジャックという男の子が、おかあさんと一頭のウシを飼ってくらしていました。
ジャックはまいあさ、ウシのミルクをしぼると、町へ売りに行っては、そのお金で暮らしを助けていました。
けれど、そのウシも年を取ったので、とうとうミルクを出さなくなってしまいました。
「しかたないわね。このウシを売って、お金にかえましょう」
おかあさんにたのまれたジャックは、町までウシを引いていくことにしました。
すると途中で、一人のおじさんがジャックに声をかけてきました。
「ぼうや、そのウシとこの豆をとりかえっこしないかい? これはね、魔法のまめなんだよ」
「魔法の豆だって! すごいや。うん、とりかえてもいいよ」
ジャックは豆を受け取ると、よろこんで家に戻りました。
その話しをきいたおかあさんは、ジャックをしかりました。
「まったく、こんな豆つぶとウシを取り替えてくるなんて、あんたはどうかしてるよ」
「でも、魔法のまめなんだよ」
「魔法だなんて、うそに決まっているじゃないの!」
おかあさんは豆を取りあげると、ポイッと、窓の外に捨ててしまいました。
ところが次の朝、ジャックが目を覚ましてみると、おかあさんの捨てた豆が、てっぺんが見えないほどの大きな木になっていたのです。
「ほら、やっぱり魔法の豆だったんだ。・・・よし、上へのぼってみよう」
ジャックは、豆の木をどんどんのぼりました。
くもをこえても、まだまだつづきます。
そしてとうとう、ジャックはてっぺんに着きました。
そこには、大きなお城がありました。
ジャックがそのお城をたずねてみますと、中から、おかみさんが出てきました。
「まあ、あなた、どうやってこんなところまできたの? ここはおそろしい人食い大男の家よ。はやくお家に帰りなさい」
その時、大男の足音が聞こえてきました。
「しかたがないわ、こっちにいらっしゃい」
おかみさんは、ジャックを台所のかまどに隠してくれました。
そこに、大男が帰ってきました。
ものすごい大男で、手には三頭のウシをぶら下げています。
「クンクン、おや? 人間のにおいだ。人間の子どものにおいがするぞ」
「あら、そんなことありませんよ。人間の子どもは、おととい食べたばっかりではありませんか」
おかみさんに言われて、大男はとなりのへやに行きました。
大男は金貨の入った袋を2つ取り出すと、中の金貨を数え始めましたが、そのうちにねむってしまいました。
「あの金貨があれば、おかあさんがよろこぶぞ!」
ジャックはかまどを出ると、大男の金貨の袋を1つかついで、いそいで家に帰りました。
金貨の袋を見て、おかあさんは大よろこびです。
しばらくたって、ジャックはまた、豆の木をのぼって、大男の家にやってきました。
ジャックがかまどに隠れていますと、大男はおかみさんに言いました。
「金の卵を産むメンドリをつれてこい」
おかみさんがメンドリを連れてくると、大男はテーブルの上で金の卵をうませました。
それをみると、大男はまた、ねむってしまいました。
「いまだ!」
ジャックはメンドリを抱えると、そのまま家に帰りました。
金の卵を産むメンドリのおかげで、ジャックはたちまちお金持ちになりました。
でも、ジャックはまだ、まんぞくしていません。
ほかにも宝物があると思って、またまた大男の家にやってきました。
ジャックがかまどに隠れていますと、大男は金のたてごとを持ってきました。
そのたてごとは、大男が命令すると、ひとりでに音楽をかなでます。
大男はそのたてごとの音色を聞きながら、またねむってしまいました。
「よし、今度はあのたてごとだ!」
ジャックはたてごとをつかむと、いちもくさんに逃げました。
その時です。
「だんな様、どろぼうですよ!」
おどろいたことに、たてごとが大声でしゃべったのです。
「なに! こぞう、きさまだな。金貨とメンドリをぬすんだのは! そして今度は、大切なたてごとをぬすむというのか。ゆるさん、食ってやる!」
大男はジャックを追いかけてきました。
ジャックは大急ぎで豆の木をおりると、おかあさんに言いました。
「はやく、はやく! オノを持ってきて!」
ジャックはおかあさんからオノを受け取ると、豆の木を切りたおしました。
「あーーーーっ!」
豆の木からおりようとしていた大男は、高い空の上から落ちてしまい、そのままどこかへ消えてしまいました。
それからジャックは、かわいいお嫁さんをもらって、おかあさんと三人で、いつまでも幸せにくらしました。
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